6.低分子ヘパリン使用時におけるソノクロットの有用性についての検討

新生会第一病院 臨床工学部、同内科1)
 ○ 市川博章、成田信一郎、金田一彰洋、梶藤正浩、勝見賢司、
  高木豊巳、村上辰和嘉 小川洋史1)、長屋 敬1)、太田圭洋1)


【目的】血液凝固・血小板機能分析装置(以下ソノクロット)を用いて低分子ヘパリンを使用している維持透析患者の血液凝固のモニタリングとしての有用性を検討したので報告する。
【対象】当院で透析中の低分子ヘパリン使用透析患者。
【方法】低分子ヘパリン使用者を対象に透析開始時(初回量投与前)、開始30分後、透析2時間目、抗凝固剤投与終了時、透析終了時に採血し、ソノクロットを用いて活性化凝固時間(以下ACT)、Clot Rate(以下CR)を測定した。
【結果】ACT値は有意な変化は見られなかった。CR値は透析中に有意な低下が見られ、終了時にはほぼ開始時の値に戻った。CRの平均値は透析開始時 20.8±4.0、開始30分後 16.8±6.0、2時間目 16.5±5.5、抗凝固剤投与終了時 17.2±7.0、透析終了時 19.8±4.0であった。
【考察】ACTでは有意差は認められず、CRに有意差が認められ、CRの値を低下させることで残血を抑制が認められた。
【結論】低分子ヘパリン使用時の血液凝固のモニタリングにはCR値が適切な指標になりうると思われる。