7.FPX180の使用経験

医療法人 ハートクリニック福井 透析室 
 ○ 山本和昇(CE)、余谷公義、福井 淳(Dr)


【はじめに】近年、長期透析患者の合併症の原因物質とされる低分子量物質の除去能が優れたダイアライザーが主流となりつつある。今回、我々はフレゼニウス社製FPX180を臨床使用し、評価を行ったので報告する。
【対象・方法】当院にて週3回の安定維持透析患者3名を対象にFPXとAPS-MDを比較、検討を行った。小分子・低分子除去特性として除去率、除去量、クリアスペースについて算出した。これらの算出については、透析液を全量採取にて行った。
【結果】小分子・低分子除去率、クリアランスは、特に差は認められなかった。 
除去量については、小分子にてUN20.6±1.2g、16.3±1.3gとFPXの方が多く除去されていた。低分子にて差はなかった。またアルブミンリーク量は、0.03g前後と差はなく低値であった。β2MGのクリアスペース(L)はFPXにて7.92±1.1 APS-MDにて7.2±1.5と差はなかった。
【結語】FPXは、APS-MDとほぼ同等の性能であり、アルブミンリークが微量にもかかわらず、低分子除去特性に優れていると思われる。